排便診療にかける想い
誰しも加齢による体や骨盤の筋肉や感覚の衰えとともに排便機能の低下を来します。特に便漏れ(便失禁)や便秘は日常の生活の質(Quality of Life)の著しい低下を招きます。国内で便漏れや便秘で悩んでおられる方がそれぞれ500万人程度いるとされ、とくに65歳以上の方の約10%は排便障害で悩んでおられます。(高血圧の通院患者さんが大体12%程度、糖尿病の患者さんが6%程度ですから非常に多いことを判っていただけると思います。)
自分の意思に反して便が漏れてしまう便失禁、本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない便秘、これらができなくなると何をするのも排便のことが気になって仕方ない、好きなこと・趣味ができない、外出できない、そんな人生は愉しくないとおもいます。内閣府から出されている高齢社会白書では今から30年後の2050年には平均寿命が女性90歳、男性が84歳に達しいよいよ人生100年時代に突入します。
しかし健康寿命の延び幅は平均寿命の延び幅に追いついていないという現状があります。便漏れや便秘が健康寿命の足を引っ張ることがないようにしたいと考えています。
排便のトラブルは若年の方からご高齢の方にかけて全世代で起こりえます。その原因は生活環境の変化、学校・職場でのストレス、妊娠出産、糖尿病や脊椎疾患(脊椎管狭窄症、すべり症、腰痛症)などの持病、大腸手術後、加齢性など多岐にわたります。誰しも加齢による骨盤底筋の衰えとともに排便機能の低下を来します。特に便秘や便漏れ(便失禁)は日常の生活の質(Quality of Life:QOL)の著しい低下を招きます。国内では、便秘・便失禁患者は各々約500万人程度いるとされ、今後のさらなる高齢化社会に伴い看過できない問題です。
しかしながら本診療の経験が豊富な医療従事者が他の疾患と比べて少ないこと、また本診療を行う上で必要な検査・治療には未だ保険診療ではできないことが多い分野である点などから専門的に取り扱いができる施設・病院が少なく増えにくい現状があります。
当院ではその垣根を越え、排便障害の特殊な専門検査を行うことによって画一的なものではなくその患者さんに応じたオーダーメイドな治療アプローチを実践することで排便のトラブルで悩んでおられる患者さん一人一人に寄り添い、少しでもその症状から解放され日常の生活の質(Quality of Life:QOL)が改善し幸せな生活を過ごしていただけるように全力で努めたいと考えています。
排便の悩みから解放され、笑顔になっていただけるよう願いながら、日々診療を行っています。